おすすめ度 ★★★(5点中)
豊かな自然が広がるアイスランドの漁村を舞台に、思春期を迎えた少年たちを描いた青春ムービー。本作が長編初監督作となるグズムンドゥル・アルナル・グズムンドソンが、自身の少年時代の思い出をベースに描いた自伝的ラブストーリーは、第73回ベネチア国際映画祭をはじめ、世界各地の映画祭で高く評価された。バルドゥル・エイナルソンとブラーイル・ヒンリクソンが、仲のいい幼なじみを演じる。
U-NEXTの「美しき男たちの愛に萌える」特集。
え、U-NEXTこんな特集があるの?
そこに並んでいた本作。
美少年が二人映っていたのを見て、ふらふらーっと視聴。
主人公の一人、ソールの怪しい視線、動き。
友達の体をガン見、洗面所で自分の体を確認して毛を確かめたりしてる。
いろいろと目のやり場に困る。(笑)
性に関心を持ちはじめる思春期っぽい行動。
主人公は幼馴染の少年二人なのかな?
ソールは鼻がツンと上を向いた子供っぽい美少年。
クリスティアンは宗教画の天使のような顔をした美少年。
二人並んでると絵になるわ。
アイスランドの美しい景色の中、
繊細な感情に揺れる少年少女。
ただ、これといったテーマやストーリーの起伏があるわけでもなさそう。
青春の輝き、ほろ苦さ……
多感な思春期の1ページを切り取ったような映画です。
動物の死骸がやたら出てくるのはなんのメタファーなんだろう。
しかし、人間関係がわかりにくい。
ソールの母親は評判の悪い男と付き合ってるシングルマザー。
長女は活発で感情的。
次女はおとなしくて絵を書くのが好き。
そんな女系家族で唯一の男であるソール。
男の成長について教えてくれる父親がいないから自分で探ってるってところかな?
クリスティアンの家族もワケアリっぽい。
厳しくて手を挙げるタイプの父親と母親が喧嘩してる。
両親に思うところがありそうな、微妙な立場のクリスティアン。
そんなクリスティアンが、ソールの恋を応援しつつ、彼への思いに目覚めていくのが切ない。
途中ソール姉が書いた二人が裸でくっついている絵(なんでこれ描いたし)がバレる。
これは狭い村ではきついのでは?
クリスティアン父による崖での根性直し。
そんなことしたって治るとか、そういうものでもないと思うんですが……
ソールもクリスティアンに「普通でいてくれ、そうしたら戻れる」とか言っちゃったりして。
ああー、クリスティアンの心がすり減っていく……
と思ったら、クリスティアンの自殺未遂。
うわあ……なんでここまで追い詰められなきゃいけないの。
おかまよばわりされて友達の中にも入れないソール。
好きな子ベータにもふられる。
直接言われるわけでもなく友達を通して言われるという。
きつい……
いじめっ子は空気読まずに焚きつけるし。
お前いいかげんにせーよ。
クリスティアンに会いに行こうとしても入れてくれない。
今度は父親よりも母親が冷たい。
自分の息子をたぶらかしたとか思ってんのかな。
親からしてみれば自分の息子を自殺に追い詰めた子なのかも。
クリスティアンに会えない日々。
クリスティアンの両親が離婚し、引っ越すことを知るソール。
そこでベータが協力してくれることに。
恋は終わったけど友情は残っていたようでちょっと安心した。
忍び込んでクリスティアンに「会いに行くよ」と言って額にキスするソール。
ちょっと萌えた。
私は本当にいつか会いに行くんじゃないかなと思ってたんですけど、
YAHOO映画レビューなんか見ると、もう会わないだろう派の人が結構いるんですね。
忍び込んで別れを言うくらいだから友情はあるんじゃないかな。
クリスティアンの気持ちを受け入れるかどうかは別として。
ソールもいずれこの村を出ていくと思うし、閉鎖された村から開放された二人が再会する展開もありだと思いますけどね。
ただ、結局何が言いたかったのかわからないストーリーでした。
最後、海に還されて息を吹き返したカサゴが二人の今後を表しているのかな?
映像はひたすら美しかったけど、投げっぱなしエンドという感じで物足りなかったです。
ちなみに、この映画「第73回ベネチア国際映画祭クィア獅子賞」を受賞したようです。
LGBT等をテーマにした映画に与えられる賞だとのこと。
そういうのあるんですね。他の受賞作も気になります。