おすすめ度 ★★(5点中)
「ブログ作成にマーケティングの知識も役に立つかも」と思って読みはじめたんですよ。
得るものはいくつかあったのですが……ストーリーがうけつけなかった。
章の合間にストーリーが挟んであるんですよね。
新入社員の売田真子(うれたまこ)がイタリアンレストランを立ち直らせるっていう話です。
普通こういうストーリーって堅苦しい内容を和らげてくれるものだと思うんですよ。
主人公と一緒に学ぼうみたいな。
そのためには主人公は共感の持てるキャラであることが大事だと思うんですよね。
でも本書はストーリーのせいで逆にストレスがたまる結果に。
キャラへの共感のしづらさ
まず主人公に好感持てなかったです。
主人公は「誰もがうらやむ大手旅行代理店の仕事を一大決心でなげうってきた」(原文ママ)らしい。
よっぽど優秀なのかと思いきや、
- 上司に駄目だしされて会社を飛び出す。
- 売れっ子コンサルのいとこの助言を仰いだくせにメモも取らず、ふざける。
- 現場の人間が嫌味言ったとはいえ、すぐ切れる。
見ていて恥ずかしくなる社会人っぷり。
この本を読む前に『沈黙のウェブマーケティング』とその続編見てるからですかね。
素直で頑張り屋の社長代理、温泉街を盛り上げようとする女将とどうしても比べてしまう。
「真子の愛くるしい顔が歪んだ」とかいう描写。
主人公が可愛くて優秀なのはわかったってば!
正直、「主人公すげー」ってなる場面がまったくないんですよ。
店名も料理もマーケティングもほぼ他人が生み出したものだし。
主人公は発表しただけ。
これで評価されるってのが納得いかない。
主人公も酷いけど上司の身内受けみたいなノリもきつい。
のんびりした関西弁。わかってますよな言動も鼻につく。
主人公のことを”うれたま”と呼ぶのも変なあだ名だなって思う。
ストーリーの理不尽感
作者は主人公がかなりお気に入りのようだから、彼女が大勝利するストーリーになるんだろうなあって思ってました。
最終的に店長代理清川さんと企画勝負をすることになります。
主人公には敏腕コンサルのいとこ。
主人公の時だけ助舟を出してくれる上司。
しかも発表前に主人公は会社の経費でイタリア研修旅行に行かせてもらってます。
対して清川さんは一人。
おそらく主人公がイタリア研修旅行している間にも忙しく店で働いていたことでしょう。
これ、フェアじゃないんじゃないの?
そもそも店長が逃げたせいで店長代理として頑張ってきたのにこの仕打ち。
最終的に女子校ノリの主人公に負けます。
そして主人公の実力を認めるよ、な展開に。
あんまりにも萎える展開で最後の方流し見してしまいました。
いや、主人公が見返す展開になるんだろうとは思ってたんですよ。
だけど、まさかの主人公が店長に抜擢。
店長代理で頑張ってきた清川さんが店長になるんじゃないの?
最後、優秀になった主人公が将来もっとすごくなりそうなことを匂わせて終了。
最後の方ざざっと読んだので細かいところ拾いきれてないかもしれないですけど、読み返す気力もないです。
ストーリー部分は二度と読みたくないですが、テキスト部分はなるほどと頷ける部分が多かったです。
実際のお店を例として上げているんので想像しやすかったですね。
ブログにも活かせそうなテクニックもありました。
得たもの
身の回りからマーケティングを学ぶ
自分が何気なく購入したもの、電車の広告、家族が買ってきたもの。
マーケティングのヒントはそこら中に転がっている。
それらについて「なぜ購入したのか?」「何の意図があるのか?」考え、マーケティング脳を鍛えることが大事。
※『沈黙のウェブマーケティング』を読んで、ネットの上位サイトから学ぼうと思っていたんですが、ネット以外にもごろごろ転がってるんですよね。
顧客を人口統計的、心理的に分ける
人口統計的:性別や年齢で分ける。
心理的:性能重視か、見た目重視か。
両方をうまく組み合わせるといいらしい。
※マイノリティの私には厳しい現実だけど、多数派に向けた商品作る方がいいですもんね。
ただ競合が多いというのも事実。
その中でどれだけ自分の強みをアピールできるかが重要なんでしょう。
私のブログはタイトル通り「おひとりさま」が生活改善するってのがテーマなんですけど、扱ってるジャンルが多いのが悩みどころ。
アトピー、ダイエット、美容、iPad mini、映画、アセクシャル……
雑多な印象があるんですよね。
生活改善に役にたったものを紹介していきたいとは思っているんですが。
尖った、このブログじゃなきゃってのはないのかも。
今後の課題として考えていきたいところです。
最後に
ストーリーはいっそないほうが良かった。でもなくしたら薄い本になりそう。
初心者向けではあるんだろうけど表面的で具体的ではなかったですね。
表紙にも書いてあるけど入門レベルの人が読むには良いのかもしれません。