おひとりさまの日々

ソロキャンプ、一人旅、老後のこと。できることからコツコツと。

『ピエタとトランジ』周囲で殺人事件が起こりまくる不思議な二人

天才的な頭脳を持つ女子高生探偵トランジと、彼女の才能に惚れ込み助手に名乗り出たピエタ。トランジは事件を誘発させる体質で、次から次に周囲で人が死んでいく。あるとき、トランジに秘められた恐るべき事実が明らかになり、人類は滅亡に向かうー!?

楽天ブックス: ピエタとトランジ <完全版> - 藤野 可織

おすすめ度 ★★(5点中)

 

ピエタとトランジ」を読みました。

男女のバディが好きではない私。(大体恋仲になる。サバサバ系女に振り回される草食系男子、ツンデレ同士のパターン多すぎぃ!)

大好きなミステリーでも男同士のバディはあるのに(ホームズ、ワトソンとか)女同士はあまり見かけない。

もっと女同士の格好いいバディが見たい!

ということで「最強最高の女子バディ」というふれこみに惹かれて本書を手に取りました。

 

しかし……思ってたのと違った!

以前見た女バディものの映画『テルマ&ルイーズ』を思い出しました。

 

 

ネタバレなし感想

あらすじにもありますがトランジの周りではとにかく人が死ぬ。

殺人も日常茶飯事。

だからトランジは殺人が起きても平然としている。

何故かピエタも平然としている。

トランジはわかるけどピエタのあっさり感はなんなん?

 

この時点でかなり共感できない。

でも共感できなくても超人的な力を持っていたり、魅力的なキャラならOK。

生意気なのも実力があれば納得できる。

 

この女子高生たちが大人顔負けの推理を見せてくれるんでしょ?

トランジが推理担当、

ピエタはアクティブっぽいから犯人を捕まえる役かな?

なんて想像していたんですよね。

 

しかし、まさかの推理パートほぼない。

犯人の凝ったトリックもない。

ただ一気に人が死ぬだけ。

章タイトルで「~殺人事件」と書いてあるから、一話完結の短編ミステリーかと思ったら違った。

この小説、周りで人が死にまくる台風の目みたいな二人の生き様を見る話だったみたい。

 

私ミステリー大好きなんですよ。

横溝正史のおどろおどろしい村の雰囲気、見立て殺人が好き。

綾辻行人の密室トリックも好き。

コナン・ドイル、アガサクリスティーは原点といってもいい。

異質な殺人事件にゾクゾクしたり、犯人と対峙した時の緊迫した空気、謎が溶けた瞬間の爽快感がたまらんのですよ。

 

その爽快感がない。

ただ人が死ぬのを見せられるだけ。

主役の女バディの自由奔放な生き方を見せられるだけ。

 

破天荒な生き方が好きな人には刺さるのかもしれない。

でも私が女バディにもとめていたのは、もっと硬派なやつ。

一人でも優秀だけど二人になってとてつもない力を発揮する所。

実力で周囲を納得させる、格好いい女達が見たかったのだ。

 

ネタバレあり感想

トランジの謎の体質が伝染した森ちゃん。

子供をたくさん産みたいって森ちゃんの生き方は私には合わないんだけど、トランジのそばにいたせいで夢を絶たれたのは可哀想だなと思った。

それに対して主人公ペアの淡々とした感じはなんなん?

(トランジはちょっと反省してたけど)

 

森ちゃんは最終的に死んでしまうし、ピエタの親も死んでしまう。

それに対しての二人の態度がまたあっさりしてる。

トランジは時折人間味を見せるけどピエタはなんなん?

 

特に頭のいい描写もないのに医者になり、結婚して相手を絞め殺しかける。

何がしたいのかよくわからない。

恋も仕事もできる上に殺人が起こっても動じないサバサバ系女みたいで鼻につく。

魅力や賢さが言動に表れてたら納得もできるんだけど、そういうシーンないからな……

ガワだけ盛った人みたいに見えてしまう。

 

最後に 

誰一人として共感もできず、

この人何をしでかすんだろうって思える魅力的なヒールもいない。

 

ただわけも分からず人が死んで

いつの間にか謎が解決されて、

殺人が起こってもアイスを食べる私、なピエタを見る。

 

私には本書の良さがわからなかったです。

でも評価高いみたいだから好きな人は好きなんだろうな。

破天荒な生き方をする二人の疾走感を楽しめる人には向いてるかもしれません。

逆にミステリーだと思うと肩透かしをくらうかも。