おひとりさまの日々

ソロキャンプ、一人旅、老後のこと。できることからコツコツと。

「双亡亭壊すべし」ネタバレありレビュー

双亡亭壊すべし」ネタバレありレビューします。

この最終巻の表紙! 全部読んだ後見ると感慨深い……

 

ネタバレなしレビューはこちら

 

好きなキャラクター

青一

猫の絵に興味持ったり、ご飯はんぶんこを喜んだり、とにかく可愛い。

読者の心を癒やしてくれる本作の癒やし枠。

最終巻の凧葉とバイク乗ってる表紙が最高ですね。

これからは普通の子供として生きてほしい。

 

凧葉

強メンタル主人公。

ちょいちょいダメージは受けるけど、受け止め方が柔軟すぎる……!

登場するだけで「凧葉来た。勝ったな!」となるのが困りもの。

でも敵が「強い+精神攻撃が基本」なので、このくらい頼れる存在が必要なのかも。

恋愛方面に寄り道しなかったのも良かった。(匂わせ程度はある)

なんといってもラスボスが強烈すぎる。

対抗できたのは同じく絵描き狂人の凧葉だったから、で説得力あるのが良かった。

 

泥努

とにかく濃いラスボス。

宇宙生物を揺らがぬメンタルで支配。

絵の邪魔をする者は味方でも攻撃。

「自分の絵を評価してくれないなら地球なんて滅べばいい。次世代に期待する」とか考えちゃうヤベーやつ。

最初は苦手だったけど、どんどん人間臭さが出て憎めないキャラになりました。

雑すぎるコーヒーの淹れ方、煽り耐性の無さも良い。(笑)

信念があるようで矛盾している、という味わい深いキャラなので、次読む時は彼の心の変化にも注目したいですね。

 

鬼離田三姉妹

「双亡亭に瞬殺されるモブ」と思ってすみません。

最後までめっちゃ活躍してた。

「菊代、雪代、琴代」という名前、

きちがいっぽい振る舞い、

金田一耕助の「犬神家の一族」「獄門島」を彷彿とさせますね。

この姉妹はキャラクター造形が良い。

和装、昔言葉、狂った振る舞い、この姉妹が出ると和風ホラー感が増します。

式神で攻撃というのも格好いい。

 

 

他にもアウグスト博士、マーグ夫妻といった老人勢も良い味出してました。

創作における老人って「若者に託して死ぬ」役割が多いじゃないですか。

本作でも死亡フラグ立てまくって、「そんなこと言ったら死ぬじゃん」ってハラハラしてたけど、最後まで活躍してた。良かった!

この3人に関しては、老人になるまで引きずってた暗い過去を昇華出来たのが良かったなあと。

ジンギスカンにはしゃぐアウグスト博士……かわいい。

 

宿木さんも格好良かった。信念のある女性大好物です。

 

そして緑朗!

こんなに活躍するとは思わなかった。すごいモブ顔なのに。

 

とにかく好きなキャラばかり。無理なのは応尽くらいかな。

紅に迫る様がキモすぎて、そこだけ読み飛ばしちゃいました。(汗)

 

好きなエピソード

おじいちゃんの星のエピソード

宇宙空間に放り出された旅客機がたどりついた水の星。

そこは侵略者に襲われている真っ最中だったーー!

青一たちが穏やかに過ごせるように日常を与える惑星人。

大切な人の姿になってくれたり、めっちゃ優しい。

 

この星の最期が泣ける。

大切な人に化けてる偽物だって、受け入れなかった地球人もいたんですよね。

彼らが侵略者に襲われる惑星人をかばったり、捕まった彼らについていったり、星と一緒に最後を迎えたり。

その描写がもうね……! ボロボロ涙が止まらなかったですよ。

 

鬼離田姉妹のエピソード

絵に囚われ、トラウマで心を壊され、侵略者に体を乗っ取られた長女。

長女VS次女三女の戦い。

もう……! どうにもならんかったんか……!(絶望)

最後、長女の心が戻ったのが救いかな。

長女に勝ったと笑う妹たち。笑いながら涙を流すその姿に涙腺崩壊。

辛い時に笑うってのはお姉ちゃんが妹たちに教えたんだよね……

 

絵描き勝負

ラストバトルが絵描き勝負だとは思わなかった。

泥努の苦悩に立ち向かう凧葉の姿が良い。

凧葉自身もこのバトルで初めて折れかける……も、わりとすぐに復活。

相変わらず立ち直るの早いわ!

本当に凧葉が良いやつというか、ラスボスにまで愚直なんだよね。

だから泥努も心揺れた。

泥努が凧葉のことを「脳を揺らす芸術」って認めるのがいいね。

 

泥努にこんな風に話し合える友人がいたら未来は変わってたのかな。

これに関してはIFの世界があるけど、どうなんだろう?

正直蛇足感がある。

命をかけてまでIFの世界を作った凧葉の真意がイマイチわからない。

もう一度読んでみたら感想も変わるかな。

 

 

双亡亭壊すべし」という台詞

描きたい絵と売れる絵の板挟みで苦しんでいた泥努。

そんな彼が言った双亡亭壊すべし

この台詞には震えた……!

双亡亭壊すべし」って何度も何度も聞いた台詞なんですよ。

憎しみを込めて言われ続けてきた台詞を、あの泥努が言うなんて。

それも、自分の枷を解き放つ、清々しい場面で――

 

本作一の名場面じゃないでしょうか。

 

最後の一筆加えられなかったのが、絵描きに対しての罰って感じで良かったですね。

絵描き勝負から最期までの流れが本当に美しかった。

 

ちょっとだけ不満

帰黒はお兄ちゃんと一緒に現代に残って欲しかった。

正直少尉よりもお兄ちゃんとのエピソードの方が濃かったので、そっちに肩入れしてしまう。

読者から見ると少尉とのエピソードって教団から連れ出したことくらい。(それもすごいけど)

たった二人きりの家族、侵略者と戦った日々、また会おうと約束したお兄ちゃんと比べると薄い気がする。

家族としてこれから幸せになって欲しかったから「え、もう離れちゃうの?」って思ってしまった。

双亡亭で会おうという約束は果たしたけど、それで終わっちゃうのか……

兄妹が仲良くジンギスカン食べてるところ見たかったなあ。

 

最後に

以上、「双亡亭壊すべし」ネタバレありレビューでした。

個人的に良かったのが恋愛方面にいかなかったこと。

サブストーリーの恋愛苦手なんですよね。

メインストーリーに侵食してテーマが揺らいだり、薄まるのがすごく嫌で。

でも本作は最後まで主人公もラスボスも絵を描く事に執着していたのが良かった。

紅が捕まった時は「凧葉と泥努で紅を巡って争うのか……」と不安だったけど、絵描き狂人同士らしいバトルで締めてくれて本当に良かった。

三角関係とかいう、ややこしいのは恋愛漫画でやればいいんだよ!(暴論)

 

 

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