おすすめ度 ★★(5点中)
R・タウンのオリジナル脚本(アカデミー受賞)をR・ポランスキーがノスタルジア・ムードいっぱいに描き出した傑作ハードボイルド・ミステリ。1937年のロスアンゼルス。私立探偵ジェイクはモーレイ夫人からダム建設技師である夫の浮気調査を依頼される。だが、盗み取りした写真がなぜか新聞に掲載され、それを見たもうひとりのモーレイ夫人が現れる。実は彼女こそ本物で、名をイヴリンという。ジェイクはこれがダム建設をめぐる疑惑と関係ありと睨んで調査を開始するが、モーレイは溺死体で発見され、ジェイクもまた謎の男たちに暴行を受ける。探偵と依頼人という関係を越えはじめたイヴリンとジェイクだったが、なおも謎は深まるばかりだった……。
物語の構成について学びたいと手に取った「SAVE THE CATの法則」。
こちらで「なぜやったのか?」ジャンルの一つとしてオススメされていた本作。
同じくおすすめされていた「市民ケーン」を先日見たのですが、古くて見るのしんどかったんですよね~。
こっちは大丈夫かなあと思いつつ、視聴してみることに。
うええ、すっごい後味悪……
途中まではすごく良かったのに、引き込まれたのに、
あんな結末ってないよ!
探偵の下に現れたモーレイ夫人が夫の浮気調査を依頼。
探偵は浮気現場を抑えて写真をモーレイ夫人に渡す。
すると新聞社がスクープ。
そこに本物のモーレイ夫人登場。
こんなの依頼してないって、じゃあ依頼してきたのは誰なの?
このあたりの展開、すっごいワクワクしたんですよ。
このモーレイ夫人は敵? 味方? 本当に本物なの?
その後、モーレイ夫人の夫が溺死体で発見され(目をカッと見開いてて怖かった……(llllll゚Д゚))
貯水池の水を誰かが勝手に流してるという謎も生まれ、
誰もかれも怪しい展開に。
ミステリー好きとしてはたまらん展開。
怨恨や痴情のもつれでもなくシンプルに利権目当てっぽい。
生きるために不可欠な水が関わっている生々しさ。
今ではあまり見ない動機なので逆に新鮮でした。
でも展開が早くてちょっと混乱、見返さないとわからない。
もう一回見る気はしないけど……_:(´ཀ`」 ∠):_
全体的に生々しいんですよ。
妹で娘っていう設定の生々しさ。
その意味に思い当たって、ゾワッてしました。
親父がにこにこしてるのがまた寒気がする。
ラストの報われなさも酷い。
展開の悲惨さも見返すのをためらう理由なのですが、
ミステリーとしてもモヤっとしますね。
全体的に多分そうだったんだろうという想像でしかない。
証拠があまりにも少なく、想像するしかない。
探偵がモウレー夫人に忠告受けたにもかかわらず、対策も練らずに父親を呼んだのも謎すぎる。
なにか策があって呼んだんじゃないのか。
結局悪が勝利で、真実は闇の中。
あーっ、モヤモヤする!ヽ(`Д´)ノ
タイトルの「チャイナタウン」って言葉はよく出てきたけど、実際に映ったのはラストだけ。
主人公はかつてその街で警官をしていたけど大切な人を守れなかった。
→また同じことを繰り返してしまった。
怠け者の街だ。
→頑張るやつは報われない。
無力だ、皮肉だ、と言いたいのかもしれないけど、そのあたりの背景がほぼ語られないからこれも想像するしかない。
ミステリー部分も、主人公の背景も、ドロドロの人間関係も想像するしかなくてすごくモヤモヤする。
ただただ後味の悪い映画。
こんなの映画にしなくても現実に転がってる話だしなあ。
力のある悪が結局得をする。弱いものが虐げられる。
最近のニュースでもあるあるじゃないですか。
なんで創作物で嫌な思いをしなきゃいけないんだろう。
調べたところ悲劇的結末にしたのは監督のロマン・ポランスキーらしいですね。
脚本家はハッピーエンド派だったけど折れたらしい。
ハッピーエンドでもいいじゃない。
バッドエンドにするならミステリー部分どうにかしてほしい。
ミステリアスな部分も少しなら良いけれど、全体的に渡って靄がかかっているようで、結局何が言いたかったのか伝わってこない。
監督の作品調べたら、「戦場のピアニストの名」が……
うっ、私のトラウマ映画。
合わないはずだわ……